【最新版】空き店舗の活用アイデア10選!補助金や成功事例も徹底解説 | いいオフィス

オーナー向け

2025.09.04

【最新版】空き店舗の活用アイデア10選!補助金や成功事例も徹底解説 | いいオフィス

いいオフィス 編集部

【最新版】空き店舗の活用アイデア10選!補助金や成功事例も徹底解説 | いいオフィス

「所有している店舗が空き家になってしまった」
「なかなか次の借り手が見つからない」

そんな悩みを抱えていませんか?
空き店舗は、ただ所有しているだけでは固定資産税などの維持費がかかるだけの「負の資産」になりかねません。
しかし、視点を変えれば、新たなビジネスや地域貢献の拠点となる「可能性の宝庫」です。

この記事では、空き店舗の活用に悩むオーナー様に向けて、具体的な活用アイデアから、失敗しないためのポイント、利用できる補助金制度まで、専門家の視点で徹底的に解説します。
あなたの空き店舗が、新たな価値を生み出す資産へと変わる第一歩を、ここから踏み出しましょう。

なぜ今、空き店舗の活用が重要なのか

近年、地方の過疎化やECサイトの普及など、さまざまな社会的要因が絡み合い、全国的に空き店舗の増加が深刻な問題となっています。中小企業庁の調査では、全国の商店街にある店舗の約7〜8軒に1軒にあたる13.59%が空き店舗であると報告されており、これは全国的な課題です 。

出典:(C) 中小企業庁, 令和3年度商店街実態調査の結果

空き店舗を放置する3つのリスク

空き店舗を「そのうち何とかなるだろう」と放置しておくことには、金銭的・社会的に大きなリスクが伴います。

  1. 経済的負担の増大: 活用していない店舗でも、固定資産税や都市計画税は毎年課税されます。さらに、管理が不十分な「特定空家等」に指定され、自治体から改善の「勧告」を受けると、税金の優遇措置が解除され、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります 。

出典:国土交通省「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 (ガイドライン) 

  1. 資産価値の低下: 建物は適切な管理がなされないと、急速に劣化が進みます。雨漏りや害虫の発生、設備の故障などが起これば、資産価値は大きく下落し、いざという時に売ることも貸すことも困難になります。
  2. 地域社会への悪影響: シャッターが閉まったままの店舗は、街の景観を損ない活気を奪うだけでなく、ゴミの不法投棄や犯罪の温床になるリスクも高まります 。

逆転の発想!空き店舗は「新たな価値」を生む資源

一方で、これらの空き店舗を「地域資源」として捉え直す動きが活発化しています。
多様化するライフスタイルや働き方の変化は、従来型の店舗利用にとらわれない新しいビジネスの需要を生み出しています。国や自治体も空き店舗の再生を後押ししており、次の一歩を踏み出すための環境は整いつつあります。

【目的別】空き店舗の活用アイデア・ビジネスモデル10選

あなたの空き店舗は、どのような可能性を秘めているのでしょうか。ここでは、店舗の立地や広さ、状態に合わせて検討できる具体的な活用アイデアを、ビジネスモデルのタイプ別に紹介します。

着実に収益を狙う「店舗・販売系」ビジネス

立地が良く、人通りがある場所なら、従来型の店舗ビジネスが有力な選択肢となります。

1. 専門性の高いセレクトショップ・小規模物販店

大手チェーンとは一線を画す、オーナーのこだわりが詰まったセレクトショップは、根強いファンを獲得できる可能性があります。近年、物販のEC化率は9.38%と高まる一方 、その流れが成熟期に入るにつれ、オンラインでは得られない「専門知識」や「実物を試せる体験」を提供する実店舗の価値が見直されています 。

2. テイクアウト・デリバリー専門店

コロナ禍を経て需要が急拡大したのが、テイクアウトやデリバリーに特化した飲食店です。客席スペースを最小限に抑えられるため、比較的小規模な店舗でも開業可能。初期投資を抑えつつ、ゴーストレストランとして複数の業態を一つの厨房で運営する方法もあります。

人々の集いや体験を提供する「サービス系」ビジネス

モノ消費からコト消費へという流れの中で、「体験」を提供するビジネスの価値は高まっています。

3. コミュニティカフェ・イベントスペース

単に飲食を提供するだけでなく、地域住民の交流拠点となるコミュニティカフェも人気の活用法です。趣味の教室やワークショップ、地域の会合など、イベントスペースとして時間貸しすることで、安定した収益が見込めます。

4. パーソナルジム・フィットネススタジオ

健康志向の高まりを受け、パーソナルジムやヨガスタジオなどの需要も堅調です。最近では、専用アプリとスマートロックを活用し、24時間利用可能な無人のセルフジムとして運営する事例も増えています。

空間をシェアして収益化する「スペースレンタル系」ビジネス

所有する「場所」そのものを商品とするビジネスモデルです。特に、管理の手間を省きたいオーナーにおすすめです。

5. コワーキングスペース・シェアオフィス

リモートワークやフリーランスの増加に伴い、「自宅以外の働く場所」の需要が急速に拡大しています。月額会員からの安定収入に加え、ドロップイン(一時利用)や会議室の時間貸しなど、多様な収益源を確保できるのが強みです。

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6. レンタルスペース・撮影スタジオ

特定の時間だけ場所を貸し出すビジネスです。女子会や誕生日会といったパーティー利用から、会議、セミナー、さらには商品撮影や動画配信のためのスタジオ利用まで、多様なニーズが存在します。

7. トランクルーム・貸し倉庫

住宅街やマンションの近くであれば、収納スペースを提供するトランクルームも有望です。一度契約が決まれば長期利用につながりやすく、運営の手間が比較的少ない「ストック型ビジネス」の典型です。

地域貢献や社会課題解決を目指す「ソーシャル系」ビジネス

収益性だけでなく、地域への貢献も重視したい場合に適した活用法です。

8. シェアキッチン

菓子製造や弁当販売などを始めたい人が、時間単位で利用できる厨房施設です。飲食店営業許可や菓子製造業許可を取得したキッチンを提供することで、個人が出店する際のハードルを下げ、地域の起業家を支援できます。

9. キッズスペース・学童施設

共働き世帯の多いエリアでは、子どもたちが安全に過ごせる場所の需要が高いです。地域の子育て支援に貢献でき、社会的な意義も大きい活用法です。

10. ギャラリー・ポップアップストア

アーティストに作品発表の場として提供するギャラリーや、様々なブランドが期間限定で出店するポップアップストアも、街に新たな彩りと賑わいをもたらします。


空き店舗活用を成功に導く5つのステップ

魅力的なアイデアが見つかったら、次はいよいよ実現に向けた具体的なステップに進みます。思いつきで始めてしまうと失敗のリスクが高まります。以下の5つのステップに沿って、慎重に計画を進めましょう。

STEP1: 市場調査とコンセプト設計

何よりもまず、その場所で「何が求められているか」を徹底的に調査します。また、空き店舗が埋まらない背景には、貸し手と借り手のミスマッチが隠れていることが少なくありません。例えば、借り手側にとって「家賃の折り合いがつかない」(36.1%)、「店舗の老朽化」(33.3%)といった点が大きな障壁となっているというデータもあります 。こうした借り手側の視点を理解することが、成功の第一歩です。

STEP2: 実現可能な事業計画の策定

アイデアを具体的な数字に落とし込み、事業の継続性を検証します。売上予測、初期費用(改修費、設備費など)、運営費用(家賃、人件費、光熱費など)を詳細に算出し、利益が出る見込みがあるかを確認します。

STEP3: 資金調達(補助金・融資の検討)

自己資金だけで足りない場合は、資金調達が必要です。後述する補助金や、日本政策金融公庫などの創業者向け融資制度の活用を検討しましょう。しっかりとした事業計画書が、資金調達の鍵を握ります。

STEP4: 改修工事と法的手続き

事業計画に基づき、店舗の改修と開業準備を進めます。コンセプトに合った内装を実現してくれる信頼できる業者を選び、必要な許認可(飲食店営業許可など)の申請を遅滞なく進めることが重要です。

STEP5: 開業と集客・運営改善

開業はゴールではなくスタートです。WebサイトやSNSでの情報発信、オープンイベントの開催などで認知度を高め、顧客からのフィードバックや売上データを基に、常にサービスの改善を続けましょう。


【必見】空き店舗活用で使える補助金・助成金制度

初期費用を抑える上で非常に重要なのが、補助金や助成金の活用です。特に、空き店舗が活用されない理由として「店舗の老朽化」や「改装の費用負担」が貸し手・借り手双方の課題として挙げられていることからも 、国や自治体が設ける改修費補助などの制度は、このミスマッチを解消するための強力な後押しとなります。

主な補助金の種類と概要

  • 国の制度: 「事業再構築補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などが、空き店舗を活用した新事業の経費の一部を補助する対象となる場合があります。
  • 自治体の制度 (例): 多くの市区町村が、独自の「空き店舗改修費補助」や「家賃補助」制度を設けています。

補助金情報を探す方法

  1. 自治体のウェブサイト: まずは、店舗が所在する市区町村のウェブサイトで「空き店舗」「補助金」といったキーワードで検索するのが第一歩です。
  2. 中小企業庁の支援サイト「ミラサポplus」: 全国の補助金情報を検索できるポータルサイトです。
  3. 商工会議所・商工会: 地域の商工会議所や商工会も、補助金に関する情報提供や申請サポートを行っています。


空き店舗活用の成功事例から学ぶ

ここでは、実際に空き店舗を活用して成功を収めている事例をいくつかご紹介します。自社のケースに置き換えて、成功のヒントを探ってみましょう。

事例1: 【複合施設×コワーキングスペース】多様なニーズを掴み地域のハブへ(埼玉県越谷市)

  • 元の状態: 複合商業施設内の広い空きスペース。
  • 活用方法: 多機能型コワーキングスペース「いいオフィス南越谷 by iiO」。
  • 成功のポイント:
    • 単なるワークスペースだけでなく、会議室、個室、キッチンを併設し、ビジネス利用から家族利用まで多様なニーズに対応しました。
    • ファミリー層が多いという地域特性を捉え、「家族で利用できる」という明確な付加価値を創出しています。
    • スタッフの在籍時間とセルフチェックインシステムを併用することで、人件費を最適化しつつ、利用者の利便性を確保し、効率的な運営を実現しています。

埼玉県内最大規模のコワーキングスペース「いいオフィス南越谷」が南越谷ラクーン内に7月1日(木)オープン!!~6月25日(金)よりプレオープン

事例2: 【無人販売×全国展開】あらゆる空き店舗を24時間稼働の収益資産へ

  • 元の状態: 全国の都市郊外やロードサイドに点在する、元々は小規模な小売店や事務所だった、あらゆる業態の空き店舗 。
  • 活用方法: 群馬県の老舗中華料理店の冷凍餃子「雪松」が、これらの空き店舗を無人直売所として次々と活用 。大型冷凍ストッカー、料金箱(またはキャッシュレス決済端末)、監視カメラを設置するだけの最小限の改装で、24時間365日稼働の販売拠点へと転換しています。
  • 成功のポイント:
    • 徹底したローコストオペレーション: スタッフを配置しない「無人化」により、事業運営における最大の固定費である人件費を完全に排除 。これにより損益分岐点が劇的に下がり、従来は採算が合わなかった立地でも収益化を可能にしました。
    • 顧客利便性の最大化: 24時間、非対面・非接触で購入できるという体験は、顧客に高い利便性を提供 。深夜や早朝といった従来の小売店の営業時間外の需要を掘り起こし、新たな市場を創出しています。
    • 高い拡張性と再現性: このビジネスモデルは特定の立地やスキルに依存しないため、標準化されたパッケージとして驚異的なスピードで全国に店舗網を拡大 。全国の「空き店舗問題」そのものを、事業拡大の「資源」と捉え直した、極めて合理的な戦略です。

餃子の雪松 


事例3: 【複合施設×コミュニティ】寂れた商店街の空き店舗が、街の「リビング」に(愛知県名古屋市)

  • 元の状態: 人気の住宅地にありながら、空き店舗化が進行し、かつての賑わいを失っていた名古屋市西山商店街の一軒の空き店舗 。
  • 活用方法: 名古屋市の支援事業をきっかけに、建築設計事務所が中心となりプロジェクトが始動 。建物をリノベーションし、焼菓子店、コーヒースタンド、花屋、レンタルスペースなど複数の小規模店舗が入居する複合施設「ニシヤマナガヤ」として生まれ変わりました 。
  • 成功のポイント:
    • コンセプト主導のテナント選定: 「街のLiving(リビング)」という明確なコンセプトを掲げ、単に空きを埋めるのではなく、コンセプトに合致し、相互に魅力を高め合えるテナントを意図的に配置しました 。
    • 相乗効果によるデスティネーション化: 魅力的な個店が集まることで、「焼菓子を買い、隣でコーヒーを注文し、花を眺めながら寛ぐ」といった一連の体験が生まれます 。施設全体が「訪れる目的」となるデスティネーション(目的地)となり、周辺商店街への回遊効果も生み出しました 。
    • 官民連携と専門家のリーダーシップ: 行政の支援事業が初期投資のハードルを下げ、建築家が自ら事業主として参画することで、質の高い空間デザインと長期的なビジョンが事業に与えられました 。

ニシヤマナガヤ 

まとめ:空き店舗を未来への投資へ

この記事では、空き店舗の活用法について、具体的なアイデアから成功のためのステップ、実際の事例までを網羅的に解説しました。

全国の商店街で約13.6%もの店舗がシャッターを下ろしているという現実は、多くの所有者にとって他人事ではありません 。しかし、その一方で、管理を怠れば固定資産税が最大6倍になるという明確なリスクも存在します 。もはや「何もしない」という選択肢は、経済的に最も非合理的なのです。

この厳しくも明確な現実を前に、本記事で提案した様々な活用法は、単なるビジネスアイデアに留まりません。それらは、所有者にとっては増税リスクから資産を守るための防衛策であり、事業者にとっては新たなビジネスチャンスを掴むための攻めの一手であり、そして地域にとっては失われた活気を取り戻すための、論理的かつ必然的な「次の一手」なのです。

この記事が、皆様が空き店舗活用の必要性と緊急性を理解し、未来への投資として新たな一歩を踏み出すための、具体的なきっかけとなれば幸いです。

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