コワーキングスペース開業への完全ガイド!成功の秘訣と注意点を徹底解説 | いいオフィス

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2025.05.30

コワーキングスペース開業への完全ガイド!成功の秘訣と注意点を徹底解説 | いいオフィス

いいオフィス 編集部

コワーキングスペース開業への完全ガイド!成功の秘訣と注意点を徹底解説 | いいオフィス

近年、働き方の多様化やフリーランス人口の増加に伴い、コワーキングスペースの需要が急速に高まっています。
遊休スペースの活用や新たなビジネスチャンスとして、コワーキングスペースの開業を検討されている方も多いのではないでしょうか。
しかし、開業にはどのような準備が必要で、どれくらいの費用がかかるのか、不安を感じる方も少なくないでしょう。
この記事では、コワーキングスペース開業のメリット・デメリットから、具体的な準備手順、成功の秘訣、そして注意点まで、網羅的に解説します。
コワーキングスペースの開業計画を成功に導くため、本記事が参考になれば幸いです。

コワーキングスペース開業の魅力と市場動向

コワーキングスペースは、単に仕事をする場所を提供するだけでなく、コンセプトによっては利用者同士のコミュニティ形成やビジネスマッチングの機会を創出する場としても注目されています。
まずは、なぜ今コワーキングスペース開業が魅力的なのか、その背景と市場の現状を見ていきましょう。

なぜ今、コワーキングスペースなのか?

現代社会において、コワーキングスペースの需要が高まっている背景には、いくつかの要因があります。

  • 働き方の多様化: リモートワークやフレキシブルワークの普及により、オフィスに縛られない働き方が一般化しつつあります。自宅以外で集中して作業できる環境を求める人が増えています。
  • フリーランス・スタートアップの増加: 個人で事業を始めるフリーランスや、少人数で立ち上げるスタートアップ企業にとって、初期費用を抑えつつオフィス機能を利用できるコワーキングスペースは非常に魅力的です。
  • 地域活性化への貢献: 地方都市においては、新たな雇用の創出や移住者の誘致、地域住民の交流拠点として、コワーキングスペースが地域活性化に貢献する事例も増えています。
  • 遊休不動産の活用: 使われなくなったオフィスビルや店舗などをリノベーションし、コワーキングスペースとして再生させる動きも活発です。これは、不動産オーナーにとっても新たな収益源となり得ます。

コワーキングスペース市場の現状と将来性

国内のコワーキングスペース市場は、拡大傾向にあります。

例えば、私たち「いいオフィス」では、2020年9月時点で約200店舗だった契約店舗数が、2023年3月末には1,000店舗を突破し、2027年度には10,000店舗を目指すという目標を掲げています。
これは、市場全体の成長ポテンシャルを示唆する一例と言えるでしょう。

今後も、企業のサテライトオフィスとしての利用や、専門分野に特化したバーティカルなコワーキングスペースの登場など、さらなる市場の多様化と拡大が予測されます。

コワーキングスペース開業に必要な準備とステップ

魅力的なコワーキングスペース市場ですが、成功のためには入念な準備が不可欠です。
ここでは、開業までに必要なステップを具体的に解説します。

コンセプト設計:誰に、どんな価値を提供するか?

まず最も重要なのが、コワーキングスペースのコンセプト設計です。

  • ターゲット顧客の設定: フリーランス、スタートアップ、企業のサテライトオフィス利用、特定の業種・職種など、どのような層をターゲットにするかを明確にします。
  • 提供価値の明確化: 単なる作業スペース提供に留まらず、どのような付加価値を提供できるかを考えます。例えば、高速インターネット、会議室、イベントスペース、カフェ併設、専門家による相談サービス、コミュニティ形成支援などが挙げられます。
  • 競合分析: 周辺地域の競合コワーキングスペースを調査し、料金設定、提供サービス、ターゲット層などを分析します。その上で、自社の強みや差別化ポイントを明確にします。

コンセプトが明確であればあるほど、物件選定や内装デザイン、集客戦略などがスムーズに進みます。

物件選定:立地とスペースの確保

コンセプトに合った物件を選定します。

  • 立地条件: ターゲット顧客がアクセスしやすい駅近、商業施設内、閑静な住宅街など、コンセプトに合わせて最適な立地を選びます。視認性や周辺環境も重要です。
  • スペースの広さとレイアウト: 提供する座席数、会議室の数、イベントスペースの有無などを考慮し、必要な広さを確保します。利用者が快適に過ごせるような動線やレイアウトも重要です。
  • 賃料と契約条件: 予算内で収まる賃料であるか、契約期間や更新条件などをしっかりと確認します。

資金調達:開業資金と運転資金の計画

開業には、物件取得費、内装工事費、什器購入費、初期の運転資金など、まとまった資金が必要です。

  • 開業資金の見積もり: 上記の費用を具体的に算出し、必要な開業資金額を把握します。一般的に、小規模なスペースでも数百万円、大規模な場合は数千万円規模になることもあります。私たち「いいオフィス」では、10坪程度のセルフチェックイン型店舗の場合、約600万円が開業費用の一つの目安として提示されています。これはあくまで一例であり、立地や内装、設備によって大きく変動します。
  • 資金調達方法の検討: 自己資金、日本政策金融公庫や民間金融機関からの融資、補助金・助成金の活用、クラウドファンディングなど、様々な資金調達方法があります。それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、最適な方法を選びましょう。
  • 運転資金の確保: 開業後すぐに収益が安定するとは限りません。数ヶ月分の家賃、光熱費、人件費などの運転資金を確保しておくことが重要です。

補助金に関する記事はこちら

内装・設備:快適な作業環境の構築

写真:いいオフィス恵比寿


利用者が快適に過ごせる空間作りは、リピーター獲得に繋がります。

  • 内装デザイン: コンセプトに合ったデザインを選びます。集中できる静かな空間、コミュニケーションが活発になるオープンな空間など、ターゲット顧客のニーズを考慮します。
  • 什器・備品: デスク、椅子、複合機、プロジェクター、ホワイトボード、Wi-Fi環境、電源タップ、フリードリンク、ロッカーなど、必要な什器・備品を揃えます。特に昨今では、オンライン会議の頻度増加やプライバシーを重視する利用者の増加に伴い、1人用の完全個室ブースへの需要が顕著に高まっています。株式会社いいオフィスの直営店舗における運営データからも、このような1人用個室は高い稼働率を示し、顧客満足度と収益性の両面で重要な役割を果たすことが確認されています。利用者の使いやすさや耐久性も考慮しましょう。
  • セキュリティ対策: 入退室管理システム、防犯カメラの設置など、セキュリティ対策も重要です。特に無人運営を検討する場合は、スマートロックなどの導入が有効です。

法的手続き:開業届や許認可の確認

コワーキングスペースを開業するにあたり、必要な法的手続きを確認しましょう。

  • 開業届の提出: 個人事業主として開業する場合、管轄の税務署に開業届を提出します。法人として開業する場合は、法人設立の手続きが必要です。
  • 許認可の確認: 提供するサービスによっては、許認可が必要になる場合があります。例えば、飲食物を提供する場合は飲食店営業許可、宿泊施設を併設する場合は旅館業法に基づく許可などが必要です。事前に管轄の保健所や行政機関に確認しましょう。
  • 消防法・建築基準法の遵守: 不特定多数の人が利用する施設であるため、消防法や建築基準法を遵守した設計・設備が必要です。専門家(建築士や消防設備士など)に相談することをおすすめします。

集客・マーケティング戦略:ターゲットに響くPR

開業準備と並行して、集客戦略も進めましょう。

  • オンライン集客:
    • ウェブサイト・SNS: 公式ウェブサイトやSNSアカウント(Instagram, X (旧Twitter), Facebookなど)を開設し、情報発信を行います。ターゲット層に合わせたコンテンツ(施設の魅力、イベント情報、利用者の声など)を発信しましょう。
    • SEO対策: 「地域名+コワーキングスペース」などのキーワードで検索上位表示されるよう、SEO対策を行います。
    • リスティング広告・SNS広告: 開業初期の認知度向上や、特定のターゲット層へのアプローチに有効です。
    • ポータルサイトへの掲載: コワーキングスペース専門のポータルサイトに情報を掲載し、露出を増やします。
  • オフライン集客:
    • チラシ・ポスティング: 近隣地域へのチラシ配布やポスティングを行います。
    • 内覧会・プレオープンイベント: 開業前に内覧会やプレオープンイベントを実施し、実際に施設を体験してもらう機会を設けます。
    • 地域イベントへの参加: 地域のイベントに参加し、施設のPRを行います。
    • 口コミ・紹介: 既存顧客からの口コミや紹介は非常に強力な集客手段です。満足度の高いサービスを提供し、良好な関係を築きましょう。

コワーキングスペース運営のポイントと成功の秘訣

開業はゴールではなく、スタートです。継続的に利用者を獲得し、安定した経営を行うためには、運営面での工夫が欠かせません。

料金プランの設定:多様なニーズに対応

利用者のニーズに合わせた柔軟な料金プランを用意しましょう。

  • ドロップイン: 一時利用向けのプラン。時間単位や1日単位で利用できます。
  • 月額会員: 定期的に利用する方向けのプラン。固定席プラン、フリーアドレスプランなど、利用頻度や席のタイプによって複数のプランを用意すると良いでしょう。いいオフィスの個人会員プランでは、店舗ごとの使い放題プランはもちろん、月額20,000円で全店舗使い放題の「プレミアムパスポート」や、1回ごとに料金を支払う「ドロップイン」などが用意されています。
  • 法人向けプラン: 企業が従業員のサテライトオフィスとして利用する場合や、チームで利用する場合に適したプランです。複数アカウントで利用できるシェアパスポート(例:いいオフィス 月額30,000円/1アカウント)などが考えられます。
  • オプションサービス: 会議室利用、ロッカー利用、法人登記、郵便物受取サービスなどをオプションとして提供し、収益アップを図ります。

料金設定は、競合の価格帯や提供価値、ターゲット顧客の支払い能力などを考慮して決定します。

コミュニティマネジメント:利用者同士の繋がりを創出

コワーキングスペースの大きな魅力の一つが、利用者同士のコミュニティです。

  • コミュニティマネージャーの配置: 利用者間の交流を促進したり、イベントを企画・運営したりするコミュニティマネージャーを配置することは、活気あるコミュニティ形成に繋がります。
  • イベントの開催: 交流会、勉強会、セミナー、ワークショップなど、利用者同士が自然と繋がれるようなイベントを定期的に開催します。
  • オンラインコミュニティの活用: SlackやFacebookグループなどのオンラインツールを活用し、利用者間の情報交換やコミュニケーションを活性化させます。

活発なコミュニティは、利用者の満足度向上や定着率アップに繋がり、口コミによる新規顧客獲得も期待できます。

運営効率化:システム導入とオペレーション改善

効率的な運営は、コスト削減とサービス品質向上に繋がります。

  • 予約・決済システムの導入: オンラインで座席や会議室の予約、決済ができるシステムを導入することで、スタッフの業務負担を軽減し、利用者の利便性も向上します。株式会社いいオフィスでは、会員アプリを通じて予約やスマートロック連携、決済などが行えるシステムを提供しています。
  • 会員管理システム: 会員情報、利用履歴、契約状況などを一元管理できるシステムを導入します。
  • 無人運営・省人化の検討: スマートロックや監視カメラ、セルフチェックインシステムなどを活用することで、無人または少人数での運営も可能です。これにより、人件費を大幅に削減できます。実際に、株式会社いいオフィスでは直営店舗の運営を通じて、これらのシステムを活用した無人運営モデルを実践し、運営コストを抑えながら高収益化を実現している事例があります。
  • オペレーションのマニュアル化と改善: 受付業務、清掃、トラブル対応など、日常業務のオペレーションをマニュアル化し、定期的に見直しと改善を行うことで、業務効率とサービス品質を維持・向上させます。

フランチャイズ加盟や運営システムの利用も選択肢

ゼロから全てを自社で構築するのが難しい場合、フランチャイズ(FC)に加盟したり、既存のコワーキングスペース運営システムを利用したりすることも有効な選択肢です。

  • フランチャイズ加盟のメリット:
    • ブランド力・集客力: 確立されたブランドイメージや既存の会員基盤を活用できるため、開業初期の集客が比較的容易になります。
    • 運営ノウハウの提供: 本部から運営ノウハウや研修、サポートを受けられるため、未経験でもスムーズに開業・運営が可能です。
    • システム・ツールの利用: 予約システムや決済システムなど、本部が開発したシステムやツールを利用できる場合があります。
  • 運営システムの利用メリット:
    • 初期開発コストの削減: 自社でシステムを開発する手間とコストを削減できます。
    • 効率的な施設管理: 予約管理、会員管理、鍵の管理などを効率的に行えます。
    • 最新機能の利用: システム提供会社が継続的に機能をアップデートするため、常に最新のサービスを提供できます。


株式会社いいオフィスもFC展開を行っており、有人店舗型と無人店舗型のプランや、運営パッケージ、スタートアップオプションなどを提供しています。
これらの選択肢を検討する際は、加盟金やロイヤリティ、提供されるサポート内容などを十分に比較検討することが重要です。

コワーキングスペース開業の注意点と失敗しないためのポイント

最後に、コワーキングスペース開業で陥りがちな注意点と、失敗を避けるためのポイントを解説します。

過度な初期投資と固定費

開業時の初期投資や、毎月発生する家賃、人件費などの固定費は、経営を圧迫する大きな要因となります。

  • 対策:
    • スモールスタート: 最初から大規模な施設を目指すのではなく、小規模なスペースから始め、徐々に拡大していくことを検討しましょう。
    • 中古什器の活用・DIY: 内装や什器にかかる費用を抑えるため、中古品を活用したり、DIYを取り入れたりするのも有効です。
    • 固定費の削減: 無人運営や省人化、変動費化できる部分は積極的に取り入れ、固定費をできる限り抑えましょう。特に人件費は固定費の中でも大きな割合を占めますが、適切なシステム導入による無人運営は、この課題に対する有効な解決策となり得ます。株式会社いいオフィスの直営店舗では、この無人運営モデルによって運営コストを最適化し、収益性を高めているケースが見られます。

集客の難しさ

魅力的な施設を作っても、利用者が集まらなければ経営は成り立ちません。

  • 対策:
    • ターゲット明確化と継続的なPR: 誰に届けたいのかを明確にし、開業前から継続的に情報発信を行うことが重要です。
    • 多様な集客チャネルの活用: オンライン・オフライン問わず、様々な集客チャネルを組み合わせ、多角的にアプローチしましょう。
    • 無料体験・キャンペーンの実施: 開業初期や閑散期には、無料体験や割引キャンペーンなどを実施し、新規顧客獲得のきっかけを作ります。

差別化の難しさ

近年、コワーキングスペースの数は増加しており、競合との差別化が難しくなっています。

  • 対策:
    • 独自の強み・コンセプトの確立: 価格競争に陥るのではなく、独自の強みや明確なコンセプトを打ち出し、特定のニーズを持つ顧客層に響くサービスを提供しましょう。例えば、前述の1人用完全個室のような、特定の需要に応える設備やサービスは、効果的な差別化ポイントとなり得ます。
    • 質の高いコミュニティ形成: 単なる場所貸しに留まらず、利用者にとって価値のあるコミュニティを育むことが、他にはない魅力となります。
    • サービスの継続的な改善: 利用者の声に耳を傾け、常にサービス内容や施設環境の改善に取り組む姿勢が重要です。

法規制の確認不足

開業後に法的な問題が発生すると、営業停止などのリスクもあります。

  • 対策:
    • 専門家への相談: 開業前に、建築士、弁護士、税理士などの専門家に相談し、法規制や契約関連の事項をしっかりと確認しましょう。
    • 最新情報のキャッチアップ: 関連する法律や条例は改正されることもあるため、常に最新情報を把握しておくことが大切です。

まとめ:コワーキングスペース開業は挑戦と創造の始まり

コワーキングスペースの開業は、多くの準備と努力が必要ですが、成功すれば地域社会への貢献や、新たなビジネスモデルの構築に繋がる大きな可能性を秘めています。この記事で解説したポイントを踏まえ、入念な計画と情熱をもって、あなたのコワーキングスペース開業を実現させてください。

もし、開業に関する具体的な相談や、運営システム、フランチャイズ加盟についてさらに詳しく知りたい場合は、専門家や実績のある企業に相談してみることをお勧めします。あなたの挑戦を心から応援しています。

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いいオフィス 編集部

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