コワーキングスペースの利益率はどれくらい?無人運営で儲かる仕組みを徹底解説! | いいオフィス

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2025.07.21

コワーキングスペースの利益率はどれくらい?無人運営で儲かる仕組みを徹底解説! | いいオフィス

いいオフィス 編集部

コワーキングスペースの利益率はどれくらい?無人運営で儲かる仕組みを徹底解説! | いいオフィス

コワーキングスペース経営に興味はあるけれど、
「実際のところ利益は出るの?」
「儲かるビジネスモデルなのだろうか?」
と疑問や不安を抱えていませんか?

働き方の多様化に伴い、コワーキングスペースの需要は年々高まっています。

しかし、ビジネスとして成功させるには、売上だけでなく「利益率」を正しく理解することが不可欠です。

本記事では、コワーキングスペースの利益率の目安や計算方法、そして特に利益率が高いビジネスモデルとして注目される「無人運営」の仕組みについて、具体的なシミュレーションを交えながら詳しく解説します。

これから開業を目指す方はもちろん、すでに運営している方も、収益アップのヒントが満載です。成功の鍵を握るポイントを学び、安定したビジネスを築きましょう。

なぜ今、コワーキングスペース経営が注目されるのか?

近年、コワーキングスペースの数は全国的に急増しており、その経営に注目が集まっています。

市場規模に関する記事はこちら(https://e-office.space/news/6kb-ohcwo

なぜこれほどまでに、コワーキングスペースは必要とされているのでしょうか。

その背景には、私たちの働き方や社会構造の大きな変化があります。

最大の要因は、働き方の多様化です。
企業に所属しながらもオフィスに出社しないリモートワーク(テレワーク)が急速に普及しました。
また、組織に属さず個人で仕事をするフリーランスや、起業したばかりのスタートアップ企業も増加の一途をたどっています。

「自宅では集中できない」
「カフェではセキュリティが不安」
「かといってオフィスを借りるほどのコストはかけられない」

こうした多様な働き手のニーズに応える「第三の場所」として、コワーキングスペースが最適な受け皿となっているのです。


さらに、地方創生の拠点としての役割も期待されています。
都心から地方へ移住して働く「Uターン・Iターン」の拠点や、地域住民の交流・起業支援の場として、地方自治体がコワーキングスペースの開設を支援するケースも増えています。

使われなくなった店舗やビルなどの遊休不動産を活用する有効な手段としても注目されており、オーナーにとっては新たな収益源を生み出すチャンスとなっています。

このように、コワーキングスペースは現代社会の多様なニーズに応えるポテンシャルを秘めたビジネスなのです。

成功の鍵は「利益率」の理解にあり

コワーキングスペース経営は、単に場所を貸すだけのシンプルなビジネスではありません。
おしゃれな内装や最新の設備を整えるには多額の初期投資が必要ですし、開業後も家賃や水道光熱費、通信費といったランニングコストが毎月かかります。

そのため、どれだけ多くの利用者に使ってもらえても(=売上が高くても)、コストがかさめば手元に残る利益はわずか、最悪の場合は赤字になってしまいます。

だからこそ、ビジネスを成功させるためには「利益率」、つまり売上に対してどれだけ利益が残るかという視点が極めて重要になるのです。

利益率を正しく理解し、それを高めるための戦略を立てることができれば、安定した収益を生み出すことが可能になります。

この記事では、利益率の基本的な計算方法から、利益率を劇的に改善する可能性を秘めた「無人運営」というビジネスモデルまで、成功への道を具体的に解き明かしていきます。

コワーキングスペースの利益率とは?計算方法と目安を解説

「利益率」と一言でいっても、具体的にどう計算し、どれくらいを目指せば良いのか分からない方も多いでしょう。
ここでは、コワーキングスペース経営における利益率の基本を、分かりやすく解説します。

利益率の基本的な計算方法

ビジネスにおける利益率にはいくつか種類がありますが、事業全体の収益性を測る上で最も重要な指標が「営業利益率」です。

計算式は以下の通りです。


営業利益率 (%) = (営業利益 ÷ 売上高) × 100


この計算式を理解するために、それぞれの項目をコワーキングスペースのビジネスに当てはめてみましょう。

項目

内容

具体例(コワーキングスペースの場合)

売上高

利用者から得られる収入の合計

・月額会員費、プレミアムプラン料金
・ドロップイン(一時利用)の利用料
・会議室や個室ブースのレンタル料
・イベント開催による収入
・法人契約による収入 など

営業利益

売上高から、事業運営にかかった全てのコスト(経費)を差し引いて残った利益。「本業で稼いだ儲け」のこと。

売上高 - 経費(販管費)

経費

事業を運営するためにかかる費用。「販売費及び一般管理費」の略。

・地代家賃:物件の賃料
・人件費:スタッフの給与、社会保険料
・水道光熱費:電気、水道、ガス代
・通信費:インターネット回線料
・広告宣伝費:Web広告、SNS運用委託費
・減価償却費:内装工事や高額な備品等の費用を、定められた年数で分割計上するもの
・その他:消耗品費、システム利用料 など

例えば、1ヶ月の売上が100万円で、経費の合計が80万円だった場合、営業利益は20万円となります。
この場合の営業利益率は「(20万円 ÷ 100万円) × 100 = 20%」です。

コワーキングスペースの利益率の平均的な目安

コワーキングスペースの営業利益率は、一般的に10%〜20%程度が目安とされています。

しかし、これはあくまで平均的な数字です。
立地や施設の規模、そして何より運営形態(有人か無人か)によって大きく変動します。

例えば、都心の駅近という一等地では、高い集客力が見込める一方で家賃が非常に高くなるため、利益率が圧迫されやすくなります。
逆に、地方や郊外では家賃を抑えられるため、同じ売上でも高い利益率を確保できる可能性があります。

よく似た言葉に「粗利率」がありますが、コワーキングスペースのような仕入れが少ないビジネスでは、事業の本当の収益性は分かりません。
家賃や人件費といった大きな販管費を差し引いた後の「営業利益率」こそが、経営状態を判断する上で最も重要な指標であると覚えておきましょう。

利益率を劇的に変える!無人運営コワーキングスペースの魅力

コワーキングスペースの利益率を大きく左右する経費。
その中でも家賃に次いで多くの割合を占めるのが「人件費」です。

もし、この人件費を限りなくゼロに近づけることができたら、利益率はどう変わるでしょうか。
それを可能にするのが「無人運営」というビジネスモデルです。

【シミュレーション】有人 vs 無人運営の利益率を比較

具体的な数字を使って、運営形態の違いが利益率にどれほどのインパクトを与えるかを見てみましょう。
ある架空のコワーキングスペースを例に、有人運営と無人運営の収支を比較します。

【シミュレーションの前提条件】

  • 場所: 都心から少し離れた郊外の駅近
  • 広さ: 30坪
  • 家賃: 30万円/月
  • 月間売上高: 80万円
  • その他経費: 10万円/月(水道光熱費、通信費、広告費、消耗品費など)

【収支比較表】

項目

有人運営の場合

無人運営の場合

備考

売上高

80万円

80万円

経費

├ 地代家賃

30万円

30万円

├ 人件費

48万円

0円

スタッフ2名雇用を想定

├ システム利用料

0円

3万円

無人化システム導入

└ その他経費

10万円

10万円

総経費

88万円

43万円

営業利益

-8万円

+37万円

営業利益率

赤字

46.25%

結果は一目瞭然です。

同じ売上高にもかかわらず、無人運営に切り替えることで毎月37万円の利益が生まれ、利益率は驚異の46.25%に達しました。
もちろんこれは単純なモデルですが、人件費の削減がいかに利益率の向上に直結するか、お分かりいただけたかと思います。

無人運営を支えるテクノロジーとは?

「スタッフなしで、どうやって運営するの?」と疑問に思うかもしれません。
現代の無人運営は、便利なテクノロジーによって支えられています。

  • スマートロック
    利用者は専用のスマホアプリやQRコードでドアを解錠。物理的な鍵の受け渡しが不要になり、24時間いつでも入退室を管理できます。
  • 予約・決済システム
    Webサイトやアプリ上で、会議室の空き状況確認から予約、クレジットカード決済までを全て利用者が完結。予約受付や会計業務が自動化されます。
  • 監視カメラ
    施設内のセキュリティを確保し、万が一のトラブルや不正利用を防止します。遠隔での状況確認も可能で、利用者に安心感を与えます。
  • オンラインコミュニケーションツール
    簡単な質問にはチャットボットが自動回答したり、緊急時にはオーナーに通知が届くなど、オンラインで円滑なサポートを提供します。

これらのシステムを組み合わせることで、スタッフが常駐しなくても、安全で快適、かつ効率的なコワーキングスペースの運営が可能になるのです。

無人運営システムE Solutionについても!

無人運営で成功するための5つのポイント

シミュレーションで見たように、無人運営は高い利益率を実現できる非常に魅力的なビジネスモデルです。
しかし、単に人を置かずにシステムを導入すれば必ず成功する、というわけではありません。

利用者に選ばれ、継続的に利用してもらうためには、戦略的な準備と工夫が必要です。
ここでは、無人運営で成功するための5つの重要なポイントを解説します。

ポイント1:コンセプトの明確化とターゲット設定

まず最初に決めるべきは、「誰に、どのような価値を提供するのか」という施設のコンセプトです。
ターゲットが曖昧なままでは、誰にも響かない中途半端な空間になってしまいます。

  • 例1:静かに集中したいエンジニアや資格勉強中の社会人向け
    → 「会話・通話禁止」のサイレントエリアを広く設け、高性能なチェアやモニターを完備する。
  • 例2:地域で活動するクリエイターやフリーランス向け
    → 交流を促すオープンなラウンジを重視し、作品を展示できるギャラリースペースを設ける。
  • 例3:子育て中の女性向け
    → キッズスペースを併設し、安心して仕事ができる環境を提供する。

このようにコンセプトを明確にすることで、内装デザイン、必要な設備、料金設定、プロモーション戦略まで、全ての判断軸が定まります。

ポイント2:最適な立地選定

立地は、事業の成否を分ける重要な要素です。
ターゲットとする利用者がどこにいるのかを徹底的にリサーチしましょう。

  • 駅からの距離: やはり駅からのアクセスが良いことは大きなアドバンテージです。徒歩5分圏内が一つの目安となります。
  • 周辺環境: 周辺に飲食店やコンビニなどがあると利便性が高まります。
  • 家賃とのバランス: 無人運営のメリットは、コストを抑えられる点にあります。必ずしも賃料の高い一等地である必要はありません。ターゲット層がアクセスしやすく、かつ家賃を抑えられる場所を見つける「目利き」が重要です。

ポイント3:快適な空間づくりと設備投資

無人運営だからこそ、利用者がストレスなく快適に過ごせる環境づくりが生命線となります。

  • 必須のインフラ: 高速で安定したWi-Fi、全ての席に十分な数の電源コンセントは絶対に欠かせません。
  • 家具: 長時間座っても疲れにくい高品質な椅子や、作業しやすい広さのデスクは、利用者満足度に直結します。
  • 清潔感: トイレや共用スペースの清潔さは非常に重要です。定期的な清掃計画を立て、常にクリーンな状態を保ちましょう。
  • その他: 無料のドリンクサーバー、オンライン会議用の個室ブースなど、ターゲットのニーズに合わせた設備を整えることで、他の施設との差別化が図れます。

初期投資はかかりますが、利用者が「また来たい」と思える快適な空間への投資は、長期的なリピート率向上につながります。

ポイント4:信頼できる無人化システムの選定

無人運営の心臓部となるのが、スマートロックや予約・決済システムです。
「システムが頻繁に止まる」「操作が分かりにくい」といったトラブルは、利用者の信頼を大きく損ないます。

  • 安定性と信頼性: 導入実績が豊富で、安定稼働が証明されているシステムを選びましょう。
  • サポート体制: 万が一のトラブル発生時に、迅速に対応してくれるサポート体制が整っているかを確認することは非常に重要です。
  • 連携性: 入退室管理、予約、決済、顧客管理などが一つのプラットフォームで完結するワンストップ型のサービスを選ぶと、オーナーの管理業務が格段に楽になります。

ポイント5:効果的な集客とファン化への取り組み

施設を作っただけでは、利用者は自然に集まりません。ターゲットに合わせた継続的な集客活動と、一度利用してくれた方を「ファン」にするための工夫が、安定経営の鍵となります。

① オンラインでの戦略的集客

無人店舗は物理的な看板だけでは認知されにくいため、オンラインでの情報発信が生命線です。

  • ローカルSEO(MEO対策): Googleマップで「地域名 + コワーキングスペース」や「駅名 + 自習室」と検索された際に、自施設が上位に表示されるように情報を最適化します。施設の写真や利用者の口コミは非常に重要な判断材料となるため、常に最新の状態に保ちましょう。
  • SNSでの情報発信: 施設の雰囲気、空席情報、キャンペーン情報などを発信します。個室中心の施設であれば、「静かさ」「快適さ」「設備の充実度」など、集中できる環境であることをアピールする投稿が効果的です。
  • Web広告: ターゲット層(例:〇〇駅を利用する20代〜40代の会社員)に絞って広告を配信することで、費用対効果の高い集客が見込めます。

② オフラインでの地道なアプローチ

オンラインだけでなく、地域に根差した活動も有効です。

  • 近隣へのアプローチ: 周辺のオフィスや法人向けに、出張やリモートワークの拠点として利用できるプランを提案したり、マンションの掲示板にチラシを置かせてもらったりするのも良いでしょう。
  • 地域のメディア: 地域のフリーペーパーやWebメディアにプレスリリースを送ることで、無料で取り上げてもらえる可能性があります。

③ 利用者との緩やかな関係構築(ファン化)

無人・個室モデルでは、利用者同士の交流よりも、オーナーと利用者との信頼関係が重要になります。

  • 心地よい距離感のコミュニケーション: 定期的にニュースレターを配信して施設の改善点を報告したり、利用者アンケートを実施してフィードバックを求めたりすることで、「オーナーがちゃんと運営に関わっている」という安心感を与えられます。
  • 「特別感」の提供: 長期利用してくれている方にささやかな割引クーポンを提供するなど、リピーターを大切にする姿勢を見せることで、施設のファンになってもらいやすくなります。
  • トラブル時の迅速な対応: 無人運営だからこそ、問い合わせやトラブルへの対応スピードが顧客満足度を大きく左右します。チャットやメールで迅速かつ丁寧に対応できる体制を整えておくことが、何よりも強い信頼につながります。

このように、無理に交流を促すのではなく、利用者一人ひとりが快適に過ごせる環境を維持し、運営側の誠実な姿勢を伝えることで、自然とロイヤリティの高い利用者が増えていくのです。

まとめ:無人運営はコワーキングスペース経営の新たなスタンダードへ

本記事では、コワーキングスペースの利益率と、それを最大化する「無人運営」というビジネスモデルについて詳しく解説してきました。

働き方の自由化が進む現代において、コワーキングスペースの需要は今後もますます高まっていくことが予想されます。

その中でビジネスとして成功し、安定した収益を上げ続けるためには、「売上」だけでなく「利益率」を常に意識した経営が不可欠です。

特に、運営コストの大部分を占める人件費を劇的に削減できる無人運営は、高い利益率を実現するための非常に強力な選択肢です。
テクノロジーの進化により、かつては難しかった安全で快適な無人での施設運営が、今や現実的なものとなっています。

もちろん、成功への道は平坦ではありません。
明確なコンセプト設計、ターゲットに合った立地選定、快適な空間づくり、そして信頼できるシステムの導入など、戦略的な準備と継続的な努力が求められます。

しかし、これらのポイントを一つひとつクリアしていくことで、あなたも高収益なコワーキングスペース経営を実現できるはずです。この記事が、その第一歩を踏み出すための羅針盤となれば幸いです。

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